
「不動産の買取って何だろう?」「仲介とどう違うの?自分はどっちを選ぶべき?」など、不動産の**「買取」**について詳しく知りたいとお考えではないでしょうか。
不動産の**「買取」とは、不動産会社があなたの不動産を直接買い取る方法のことです。一般的な不動産売却は、不動産会社に仲介を依頼して買主を探す形ですが、物件の状況によっては仲介ではなかなか売れない場合でも**「買取」なら対応してもらえることがあります。また、買主探しの手間がない分、素早く現金化できるのが大きなメリットです。一方で、仲介と比べると売却価格は市場相場の6~8割程度に抑えられてしまうケースが多い点には注意が必要です 。
本記事では、不動産売却方法の一つである「買取」について、以下のポイントを網羅的に解説します。
- 不動産「買取」とは何か?仲介との基本的な違い
- 「買取」が完了するまでの流れ(全体のステップ)
- 不動産買取の5つのメリット
- 不動産買取の2つのデメリット
- 不動産売却は「買取」と「仲介」どちらを選ぶべきか
- 買取業者を選ぶ際の3つのポイント
- 【ケース別】家・土地・空き家の買取で知っておくべきこと
- 不動産買取に関するよくあるQ&A
この記事を読むことで、「買取」の具体的な流れを理解し、自分の不動産を本当に買取してもらうべきかどうかの判断材料が得られます。さらに、後半では良質な業者を選ぶポイントや、物件の種類ごとの注意点も紹介します。例えば、「住宅ローンの返済が厳しくなってしまった」「離婚などで家が不要になった」といった事情で早期売却を検討している方にも役立つ内容です。 岡山市の不動産会社 Torus不動産合同会社(当社)がお届けする情報をぜひ参考にしてください。
1. 不動産の「買取」とは?不動産会社が直接買い取る方法
改めて、不動産の**「買取」とは、不動産会社があなたの不動産を直接買い取ってくれる売却方法のことです。通常の売却(仲介)では、不動産会社に仲介を依頼して次の買主(住む人)を探し、買いたい人と売買契約を結びます。それに対して「買取」は、買主探しを行わず不動産会社自身が買主となる**点が大きな違いです。
不動産を売却する際、多くの場合まず仲介での売却を検討すると思います。しかし、物件の場所や状態によっては**「仲介より買取のほうが適している」ケースもあります。買取の最大の特徴は、仲介のように不特定多数の買主を探す時間や手間がかからないため、現金化までのスピードが速いことです。早ければ契約後数日、一般的にも1ヶ月程度**で売却手続きが完了します。仲介では買主が見つかるまで数ヶ月以上かかることも珍しくないため、売却スケジュールの予測が難しいですよね。しかし買取なら、いつ売れるか分からない不安がないのです。
一方で、「買取」は不動産会社が買い取った後に再販売して利益を出す必要があるため、買取価格は市場価格より安く抑えられる傾向があります。この後詳しく説明しますが、買取価格は一般に仲介で売る場合の約6~8割と心得ておきましょう 。
2. 不動産買取の種類:「即時買取」と「買取保証」
ひと口に「買取」と言っても、その方法には主に**「即時買取」と「買取保証」**の2種類があります。ご自身の状況に応じて、適した方を選ぶことができます。
- 即時買取: その名の通り、不動産会社にすぐに買い取ってもらう方法です。買取を依頼してから契約・決済まで、早ければ数日~1週間、通常でも遅くとも1ヶ月程度で売却手続きが完了します。とにかくできるだけ早く現金化したい人に適した方法です。当社でも即日査定が可能なので、すぐに概算価格を知りたいという方はお気軽にご相談ください。
- 買取保証: まず一定期間は物件を市場(仲介)に出して買主を探す売却活動を行い、それでも売れなかった場合に不動産会社が買い取るという方法です。いきなり買取するよりも高く売れる可能性に最後まで賭けつつ、期限までに売れなければ確実に買取してもらえるので安心、という仕組みです。**「高く売れたらラッキー。でも長期間待てないので期限内に売れなければ買取で確実に手放したい」**という人におすすめです。ただし買取保証の場合、最初から「〇〇万円で〇ヶ月後に買取保証」という契約を結ぶため、市場に出している間もその価格以上では売れにくくなる傾向もあります。
3. 「買取」の相場は仲介の6割~8割程度
「買取だとどのくらいの金額で売れるのか?」は気になるポイントですよね。一般に買取価格は、仲介で売る場合の6割~8割程度が目安と言われます 。例えば市場価格が2,000万円前後と査定される不動産なら、買取価格は約1,200万~1,600万円くらいになる可能性が高いということです。
なぜこれほど安くなってしまうのでしょうか。その理由は、不動産会社が買取した後に再販して利益を出す必要があるからです。買い取った物件をそのままの状態で売るわけではなく、リフォームや補修をして付加価値を付けたり、広告宣伝を行ったりするコストがかかります。当然、不動産会社はそれらのコストと自社の利益を差し引いたうえで買取価格を提示します。また、仲介と違って仲介手数料を買主(不動産会社)からもらえないため、その分も考慮して価格設定される傾向があります。
以上の理由から、「買取」はどうしても市場相場より低い金額提示になりやすいのです。ただし物件次第では、まれに相場の9割近い高額で買い取ってもらえるケースや、逆に半額程度になってしまうケースもあります。市場の需要・物件の状態や不動産会社の戦略によって幅がありますので、複数の会社に査定・見積もりを依頼して比較することが重要です(後述します)。
4. 「買取」と「仲介」の違いを比較
それでは、不動産売却における「買取」と一般的な「仲介」の違いを整理してみましょう。以下の表に主要な項目をまとめました。
項目 | 買取 | 仲介(一般的な売却) |
---|---|---|
買主 | 不動産会社(業者) | 次に物件に住む個人の買主 |
売却までの期間 | 数日~1ヶ月程度で完了(早い) | 3~6ヶ月程度かそれ以上かかることも |
売却価格 | 安くなる傾向(仲介相場の6~8割程度) | 市場相場(できるだけ高く売却) |
売却時の費用 | 仲介手数料不要(仲介業者を介さないため) | 仲介手数料が必要(法律で上限規定あり) |
内覧対応 | 不要(業者による査定時くらい) | 必要(購入希望者の内覧に対応) |
契約不適合責任(瑕疵担保責任) | 免責になる(売主の責任を問われない) | 免責にならない(売主が責任を負う) |
買取はスピード重視、仲介は価格重視という違いがはっきり表れています。買取では買主探しが不要な分とにかく売却までが早く、確実に現金化できる利点があります。しかしその代わり、売却価格は相場より低く抑えられるのが一般的です。また仲介では売主が支払う仲介手数料が発生しますが、買取の場合はそもそも仲介を介さないので手数料はかかりません。仲介手数料は宅地建物取引業法で上限額が決まっており、売買価格400万円を超える取引では「(売買価格×3% + 6万円) + 消費税」が上限になります 。例えば3,000万円で売却できた場合、仲介手数料は税込で約105~110万円前後にもなります。決して小さな額ではないですよね。
さらに、内覧(物件見学)対応についても違いがあります。仲介で個人に売る場合、購入希望者が現れると実際に家の中を見てもらう「内覧」が必要です。住みながら売却活動をする場合、内覧ごとに片付けや掃除、スケジュール調整をしなければならず意外と負担になります。特に小さいお子さんがいるご家庭や仕事で忙しい方にとって、他人を何度も家に招くのはストレスになることもあります。それに対して買取なら、基本的には不動産会社の査定担当者が一度内部を確認するだけで済み、一般のお客さんを案内する必要はありません。
最後に契約不適合責任(旧・瑕疵担保責任)の扱いも異なります。仲介で売却する場合、引き渡した物件に後から契約と違う欠陥や不具合(雨漏りやシロアリ被害など)が見つかると、買主から補修費用などの請求を受ける可能性があります。しかし買取の場合は売主の契約不適合責任を免除として契約するのが一般的です 。プロである不動産会社相手に売るわけですから、後から何か問題が見つかっても売主(あなた)が責任を負うことは基本的にありません。このようにリスク面での安心感も買取の特徴と言えるでしょう。
📌 ポイント: 上記の違いについて、3章「買取のメリット」でスピード・手数料・内覧対応・秘密厳守・責任免除などの利点を詳しく解説し、4章「買取のデメリット」で価格面などの欠点を詳しく説明します。ぜひ順を追ってチェックしてください。
5. 「買取」が完了するまでの流れ(全8ステップ)
実際に「買取」で不動産を売却する場合、どのような手続きの流れになるのでしょうか? 仲介による一般的な売却と比べるとシンプルで、事前準備から物件引き渡し後の確定申告まで含めても、おおむね8つのステップで完了します。以下に全体の流れをまとめ、そのポイントを簡単に解説します。
- 必要書類の確認: まず売却に必要な書類を確認・準備します。買取の場合、売却までの期間が数日~1ヶ月程度と短いため、書類集めに使える時間も短めです。スムーズに進めるために、登記簿謄本(登記事項証明書)や身分証明書、権利証(登記識別情報)、パンフレットや測量図面など物件資料、ローン関係書類(返済予定表など)といった必要書類を早めに確認しましょう。
- 不動産相場の確認: 不動産会社に査定を依頼する前に、ご自身の不動産のおおよその相場価格を把握しておきます。近隣で似た条件の物件が最近いくらで売れたか、国土交通省の「土地総合情報システム」などで成約事例を調べるのも一つです。事前に相場観をもっておくことで、実際に提示された買取価格をチェックし、不当に安すぎないか判断しやすくなります。もし納得のいかない価格を提示された場合にその根拠を質問できるよう準備しておくことも大切です。
- 査定の依頼: 実際に不動産会社へ査定を依頼します。一社だけでなく複数社に査定を依頼するのがポイントです。査定には、机上で物件情報だけから算出する「簡易査定(机上査定)」と、実際に物件を訪れて詳細に評価する「訪問査定」があります。まずはネットなどで利用できる簡易査定をできるだけ多くの会社にお願いし、おおまかな査定額の比較から候補を絞り込みます。そして信頼できそうな数社に訪問査定を依頼して、より正確な買取価格を出してもらいましょう。当社でも無料査定を承っていますので、お気軽にご利用ください。
- 不動産会社の決定: 査定額や担当者の対応を見て、実際に買取を依頼する不動産会社を決定します。判断のポイントは大きく3つあります。(1)提示された買取金額に納得できるか、(2)買取実績が豊富か・評判は良いか、(3)営業担当者が信頼できるか、です。特に買取価格については、会社ごとに条件や得意不得意がありますので、比較して最も良い条件を提示してくれた会社を選ぶことになります。ただし提示額だけで飛びつくのではなく、「なぜその金額になるのか」の説明が明確な会社や、総合的なサービスの手厚さなども考慮しましょう。
- 条件の確認(打ち合わせ): 売買契約の正式締結前に、細かな条件の最終確認を行います。買取スケジュール(いつ契約し、いつ決済・引き渡しするか)や、引き渡し時に家に残す設備・家具の取り扱い、必要書類の最終チェックなどをここで詰めます。後から「聞いていなかった!」というトラブルにならないよう、些細な疑問もこの段階でクリアにしておきましょう。例えば「不要な家具を引き取ってもらえるか?費用は?」「引き渡し猶予は何日可能か?」など、不安な点は遠慮なく確認することが大切です。
- 売買契約の締結: いよいよ売買契約を結びます。買主(不動産会社)と売主が合意した条件のもと、不動産売買契約書を取り交わします。一般的には不動産会社の事務所やご自宅などで行います。当日は契約書・重要事項説明書の読み合わせをして内容を最終確認し、署名押印します。契約時に売買代金の一部(手付金)を受け取り、契約成立となります。
- 決済・物件引き渡し: 買取金額から手付金を差し引いた残代金の受領と同時に、不動産の引き渡しを行います。通常は買主・売主双方の関係者が金融機関の応接室などに集まり、残代金を決済し、鍵や関係書類を引き渡します。このとき同時に、ローンの抵当権抹消手続きや物件の所有権移転登記手続きも行います(司法書士が立ち会います)。これで買取の手続きは完了です。当社ではスケジュール調整から決済手続きまでしっかりサポートいたします。
- 確定申告: 最後に、忘れてはいけないのが売却益に対する確定申告です。不動産を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、翌年の2月中旬~3月中旬に確定申告をして税金を納める必要があります。譲渡所得には特別控除や軽減税率の特例などもありますので、税務署や税理士に相談しながら適切に申告しましょう。一方、売却して損失が出た場合でも、確定申告をすれば一定の要件のもとで他の所得と損益通算をする、いわゆる**「譲渡損失の控除」**など税の軽減措置を受けられることがあります。利益が出ても損しても、一度専門家に確認してみることをおすすめします。
以上が不動産「買取」の一連の流れです。仲介での売却と比べると買主探しや内覧対応などの工程が無い分、ずいぶん簡潔に感じられるのではないでしょうか。スケジュールが読みやすく手続き期間も短いので、計画的に動きやすいのが買取の魅力ですね。
📝 補足メモ: 不動産買取の各ステップについてさらに詳しく知りたい場合は、当社までお問い合わせください。必要書類の具体例や、査定時に高く評価してもらうポイント、確定申告の手順などもアドバイスいたします。
6. 不動産買取の5つのメリット
ここからは、「買取」を選択した場合のメリットについて詳しく見ていきましょう。一般的な仲介による売却では得られない、買取ならではの魅力がいくつもあります。特に次の5つのメリットは押さえておきたい重要ポイントです。
6-1. 不動産売却までの時間がかからない(速い)
「買取」の最大のメリットは何といっても売却完了までのスピードが速いことです。買主探しを省略できるため、いつ売れるか分からないという不安がありません。
通常、仲介による売却では買主が見つかるまで早くても数ヶ月、場合によっては半年~1年近くかかることもあります。特に人気エリアでもない中古物件などでは、買い手探しに3ヶ月~半年以上かかるのは珍しくないでしょう 。もちろん地域や物件次第で、もっと長引くケースも多々あります。その間ずっと住宅ローンや固定資産税の支払いが続いたり、売却資金の目処が立たず次の生活設計ができなかったりと、精神的・金銭的負担がかかりますよね。「一日でも早く売ってしまいたい!」という切実な状況の方にとって、仲介はもどかしい方法になりがちです。
一方、買取なら最短数日で売却完了も夢ではありません。不動産会社との契約・決済さえ整えば即売却成立です。平均的には1ヶ月もあれば手続きが終わるため、スケジュールが立てやすく計画的に動けます。実際、「通常の売却では1.5~3ヶ月ほどかかる手続きも、買取であれば数週間、場合によっては数日で完了する」ケースもあります 。すぐにまとまった現金が必要な人や、○月までに売却を終えたい事情がある人には大きなメリットと言えるでしょう。
6-2. 仲介手数料がかからない
仲介手数料が不要なのも買取の見逃せないメリットです。仲介で売却する場合、売主は仲介を担当した不動産会社に対し、成功報酬として仲介手数料を支払います。先ほども触れたように、仲介手数料は法律で上限が定められており(売買価格の3%+6万円など)高額になりがちです。例えば2,000万円で売却できた場合でも上限約66万円(+消費税)もの手数料が発生し、売却代金から差し引かれてしまいます。
しかし「買取」では、売却相手が仲介業者ではなく不動産会社自身になるため、仲介手数料そのものが発生しません 。不動産会社は買取後の再販売で利益を得るため、売主からの手数料収入には頼らないモデルだからです。
ただし注意点として、買取価格自体が仲介より低く抑えられる(6-8割程度になる)ため、手数料が浮いても手取り額は仲介より少なくなる可能性が高いことは認識しておきましょう。手数料負担がないとはいえ、総合的な損得勘定では「それでもいい」と思えるかがポイントです。裏を返せば、「多少安くなってもいいから早く確実に売りたい」というニーズにはマッチしていると言えます。
6-3. 複数回の内覧対応が不要で手間がかからない
「買取」では、一般のお客様による何度もの内覧対応が不要です。これは売却する側にとって地味に嬉しいメリットでしょう。
仲介で個人に売る場合、購入を検討している方が物件を見学したいと希望すれば、その都度内覧の日程調整をし、自宅を訪問してもらいます。現在お住まい中の家を見せる場合は、事前に念入りな掃除や片付けをしたり、家族の生活時間を調整したりと負担もあります。内覧希望者が一人で済む保証はなく、買主が見つかるまで何度も土日に予定を空けて対応しなければならないケースも多いのです。小さなお子さんがいるご家庭などでは、見ず知らずの人を頻繁に家に入れることへのストレスもばかになりません。
しかし買取なら内覧は基本1回だけです。あなたが選んだ買取業者の担当者が、物件査定のために室内をチェックする程度で、不特定多数の人に家を開放する必要はありません。その後の交渉も業者との間で行いますので、プライバシーを保ちつつスムーズに売却できます。「他人に家を見られるのに抵抗がある」「何度も掃除や対応をする暇がない」という方でも、買取なら安心です。
6-4. 周囲に知られることなく売却できる
不動産を売却すること自体を近所や知人に知られずに済むのも、買取のメリットの一つです。
仲介で売却活動を行う場合、より多くの買主候補に物件をアピールする必要があります。そのため、不動産ポータルサイトや自社HPへの物件情報の掲載、近隣地域へのチラシ配布、住宅情報誌への掲載など、様々な広告宣伝が行われます。住所や外観写真が公開されることも多く、どうしても**「あの家売りに出てるみたいよ」と周囲に知られてしまう可能性**が高いです。売ること自体は悪いことではありませんが、プライベートな理由(例えば離婚や金銭的事情)で手放す場合など、あまり詮索されたくないケースもありますよね。
その点買取なら宣伝活動が不要です。不動産会社と一対一のやり取りで売却が完結するため、ご近所さんに売却を気付かれることなく手放すことも可能です。実際、広告掲載や購入希望者の訪問もないので、周囲に知られにくいと言えます。「近所に変な噂を立てられたくない」「できるだけひっそりと売却したい」という方にとって、買取は安心できる方法でしょう。
6-5. 契約不適合責任を免除してもらえる
前述した契約不適合責任(瑕疵担保責任)について、買取では売主の責任を免除として契約できるのが通常です 。これは大きな安心材料です。
契約不適合責任とは、簡単に言えば「売却した物件に隠れた欠陥があった場合、売主が負う責任」のことです。例えば雨漏りやシロアリ被害、給排水管の故障など、契約時に買主と合意していない不具合が後から見つかった場合、買主は売主に対して補修費用の請求や損害賠償請求ができます(契約書で特約を定めていない限り)。個人間売買の仲介では、この責任が売主に重くのしかかる可能性があります。
しかし買取の場合、不動産会社が買主となるため基本的にこの責任を売主に問わない契約形態をとります。「現況有姿」での買取が多く、引き渡し後に万一欠陥が見つかっても売主が負担する必要はありません 。プロである不動産会社側がリスクを引き受ける形ですね。これにより、「売却後に思わぬ出費を請求されるかも…」という心配をせずに済みます。
もちろん、故意に重大な欠陥を隠したまま売るのは別問題ですが、普通に生活していて気づかなかった不具合については免責されることがほとんどです。心理的負担が軽いのも買取のメリットと言えるでしょう。
以上、買取を選ぶことで享受できる代表的なメリット5つを見てきました。まとめると、「とにかく早く・確実に・手間なく売却でき、売った後の心配も少ない」という点で、買取は売主に優しい方法だと言えます。
7. 不動産買取の2つのデメリット
メリットの多い「買取」ですが、当然ながらデメリットや注意点も存在します。特に価格面については事前によく理解しておきましょう。ここでは買取の代表的な2つのデメリットを解説します。
7-1. 市場価格より売却価格が安くなる可能性が高い
最大のデメリットはやはり売却価格が安くなりやすいことです。繰り返しになりますが、買取価格は仲介での売却価格の6~8割程度に落ち着くケースが多くなります 。理由は前述の通り、不動産会社が再販して利益を出すためにコストや利ざやを差し引く必要があるからです。また仲介手数料が得られない分、自社の利益を確保するためにどうしても市場相場より低めの価格提示となります。
具体例として、市場相場3,000万円の物件でも買取では1,800万~2,400万円程度になる、といった具合です。「そんなに安くなるの!?」と驚かれるかもしれませんが、これは決して珍しいことではありません。
「少しでも高く売りたい」という気持ちが強い方にとって、買取の安さは大きなデメリットになります。特にローン残債が多く残っている場合、買取価格によってはローンを完済できない恐れもあります(※後述のQ&Aで解説します)。したがって、価格重視で売却したい人は無理に買取を選ばず、時間をかけてでも仲介で買主を探す方が賢明かもしれません。
7-2. 不動産会社に買取を断られるケースもある
もう一つ覚えておきたいのは、不動産会社によっては買取そのものを断られる可能性もあるという点です。すべての不動産が必ず買取してもらえるわけではありません。
例えば、極端に需要が低いエリアの物件や、著しく老朽化して活用が難しい物件、また法令上再建築不可の土地を含む物件などは、不動産会社から見て再販して利益を出すことが難しいため、買取を敬遠される場合があります 。事故物件(心理的瑕疵物件)なども、買い取っても買い手が付かないリスクが高いと判断されると断られることがあります。
不動産会社も商売ですから、明らかに赤字になりそうな物件は買取に消極的です。実際には「買取不可」とははっきり言われずに、「この物件は買取よりも仲介で買主探した方がいいですよ」と案内されることもあるでしょう。また、一社で断られても他の会社なら買い取ってくれるケースもあります。不動産会社によって得意分野が異なり、古い物件専門で買取している業者もあれば、エリアによっては独自の再販ルートを持っている業者もあります。ですので、もし一社に断られても落胆せず、他の買取業者にも当たってみることをおすすめします。
以上が買取の主要なデメリットです。**「高く売れないかもしれない」「物件次第では買い取ってもらえないかもしれない」**という点は頭に入れておき、メリットと天秤にかけて判断しましょう。
8. 不動産売却は「買取」と「仲介」どちらを選ぶべき?
ここまでメリット・デメリットを見てきたように、不動産の「買取」が向いているケースと、従来の「仲介」で売却した方が良いケースがあります。結局どちらを選ぶのが自分にとってベストなのか、悩ましいですよね。そこで、「買取」に向いている人と「仲介」に向いている人の特徴を整理してみましょう。
8-1. 「買取」が向いている人
以下のような条件に当てはまる方は、不動産の買取での売却が向いている可能性があります。
- とにかく短期間で売却したい人(早く現金化したい事情がある)
- 周囲に知られずに売却したい人(売却活動をオープンにしたくない)
- 通常の仲介では売れにくい物件をお持ちの人
特に最後の点、「売れにくい物件」を抱えているケースでは買取が有力な選択肢です。例えば以下のような物件は仲介だと買主探しに苦戦するため、買取を検討する価値があります。
- 築年数の古い物件: 築30年以上の古い家屋などは、大規模な修繕が必要だったり耐震性の問題があったりして、個人の買主が付きにくい傾向があります。新耐震基準(1981年以降)を満たさない建物も、仲介では避けられがちです。買取であれば古家付き土地として買い取ってもらい、その後業者が解体・再販するケースもあります。
- いわくつき・事故物件: 過去に事件・事故が起きた物件や、いわゆる心理的瑕疵がある物件は、仲介で敬遠されていつまでも売れないリスクがあります。そのような場合、専門の買取業者に割安な価格で買い取ってもらい、業者がリフォームや告知義務を負った上で再販売するほうが現実的です。
- 人気のないエリア・立地の物件: 不動産は立地条件によって需要が大きく左右されます。駅から遠い、周辺環境が芳しくない、人口減少が著しい地域などの物件は、仲介で買主を探すのが難航することがあります。そうした物件でも、不動産会社によっては独自に価値を見出して仕入れてくれることがあります。
- その他特殊な事情で売れにくい物件: 例えば室内がゴミだらけ(いわゆるゴミ屋敷状態)で一般客には敬遠されるような家や、権利関係が複雑な物件(相続未了など)も、買取業者なら対応可能な場合があります。業者がクリーニングや権利調整を行う前提で買い取ってくれるケースです。
上記のような特徴に心当たりがある物件は、「仲介ではなく買取で売却したほうがスムーズにいく」と考えられます。また繰り返しになりますが、売却スピードを最優先したい人や秘密裏に手放したい人も買取向きです。
✅ チェックリスト:「買取」が向いている人
- 早く不動産を現金化したい事情がある
- 売却活動を周囲に知られたくない
- 自分の物件が古い・ボロボロで買い手がつくか不安
- 事故物件など心理的瑕疵がある
- 立地条件が悪く需要が低そう
- その他、仲介では売れにくい要素がある
当てはまる項目が多いほど、買取による売却が適している可能性が高いでしょう。
8-2. 「仲介」が向いている人
一方、以下のような方は仲介での売却に向いていると言えます。
- なるべく高く売却したい人(多少時間がかかっても良い)
- 売却を急いでいない人(待てるので高値狙いしたい)
- 比較的「売りやすい」魅力的な物件をお持ちの人
仲介の一番の利点は、なんといっても買取より高値で売れる可能性が高いことです。多少時間がかかっても、「せっかくなら1円でも高く売りたい!」という人には仲介が向いています。また、売却までの期間を特に急いでいないなら、市場のタイミングを見計らったり複数の購入希望者からの入札を募ったりと、納得いく価格で売るための工夫もしやすいでしょう。
さらに物件自体が魅力的であれば、仲介でもそれほど時間をかけずに良い買主が見つかる可能性があります。例えば:
- 築浅できれいな物件: 新築後数年~10年程度の住宅や、リフォーム済みで綺麗なマンションなどは、中古でも人気があります。設備や内装が新しいと購入希望者の印象も良いため、仲介でも売れやすいです。
- 人気エリア・好立地の物件: 駅近だったり学区が良かったりと需要の高いエリアなら、買いたい人が多く見込めます。そういう物件は仲介で相場価格orそれ以上で売れる可能性が高いです。
- 広さや間取りなど条件が良い物件: 駐車場が2台分ある戸建て、角部屋のマンション、南向き日当たり良好など、条件面で強みがある物件も買い手が付きやすい傾向です。
このような「売りやすい物件」をお持ちの場合、買取に出すのはもったいない可能性があります。仲介でも十分早期に適正価格で売却できるでしょう。
✅ チェックリスト:「仲介」が向いている人
- とにかく高く売りたい、多少時間がかかっても良い
- 売却を急ぐ必要がない(半年~1年くらい余裕がある)
- 物件が比較的新しく状態が良い
- 立地など条件が良く需要が高そう
- 最新の設備やリフォーム済みなどアピールポイントがある
こちらも該当項目が多いほど、仲介で売却したほうが良い結果になるでしょう。
以上を踏まえて、ご自身の状況に照らし「買取」と「仲介」のどちらが向いているか検討してみてください。迷ったときは不動産会社に両方のシミュレーションを依頼して、価格と売却期間のバランスで判断するのも一つです。当社でもお客様のニーズを伺い、最適な売却方法をご提案いたします。
9. 不動産買取業者を選ぶ際の3つのポイント
「自分の不動産は買取で売却しようかな」と決めた場合、次に悩むのは**「どの買取業者に頼むべきか」ですよね。不動産会社は世の中に多数ありますが、買取対応や提示額は会社によってまちまちです。ここでは、後悔しない買取業者選びの3つのポイント**をお伝えします。
9-1. 多くの買取業者に見積もりを出す
まず大前提として、最初から1社に絞らず、複数の買取業者に見積もり依頼をすることが大切です。1社だけに査定を頼んでそのまま契約してしまうと、提示額が適正かどうか判断しづらく、本当はもっと高く買ってくれる会社があったかもしれないのに機会損失になる恐れがあります。
買取においては、各社から提示された見積もり金額=実際の買取価格となるケースがほとんどです。したがって、少しでも高い価格を提示してくれる業者を探すために、手間を惜しまず複数社にあたることが重要です。「買取を選ぶ人=すぐに売りたい人」だからといって、1社だけに頼ると足元を見られて相場より安く買いたたかれるリスクもあります。
また、複数社の査定結果が出揃った後は、単純に一番高値をつけた会社を選ぶだけでなく、各社の提示条件を比較検討しましょう。例えば「A社は○○万円だけど引き渡し条件が厳しい」「B社は金額は少し低いが、瑕疵担保免責など柔軟に対応してくれる」など、細かな違いがあります。最終的に総合的に見てベストと思える業者を選ぶためにも、情報は多いに越したことはありません。
なお当社でも、複数の優良買取業者へ一括査定を依頼できるサービスを展開予定です。お客様にとって有利な条件を提示しそうな会社をこちらで選定し、一度の申し込みでまとめて査定依頼が可能になります。一社ずつ連絡する手間が省けますので、ぜひご活用ください。
9-2. 「買取実績」が豊富で評判の良い業者を選ぶ
不動産会社にはそれぞれ得意分野があります。スムーズに買取手続きを終わらせるためには、買取実績が豊富で評判の良い業者を選ぶのが安全策です。
まず、その会社がどのくらい買取に力を入れているかをチェックしましょう。例えば大手仲介会社の中には買取部門を持っているところもありますが、積極的には買い取らず仲介メインで話を進める場合もあります。一方、地域の不動産買取専門業者などは日頃から古家や訳あり物件をどんどん買い取っていたりします。各社のウェブサイトに**「買取実績」「買取事例」**などの掲載があるか確認すると良いでしょう。実績が明示されていない場合は、問い合わせ時に「過去にどんな物件を買い取っていますか?」と聞いてみるのも手です。
また、実際にその業者で買取をお願いした人の口コミや評判も参考になります。検索エンジンで社名を調べるとGoogleの口コミやSNS上の声が見つかることがあります。「対応が丁寧だった」「◯◯社より高値で買ってくれた」などポジティブな評価があれば安心材料になります。ただし中には悪質な業者同士のネガティブキャンペーン情報もあるので、評判はあくまで参考程度にしつつ、最終判断は自分の目で確かめましょう。
9-3. 価格交渉など相談に真摯に乗ってくれる業者を選ぶ
最後に、営業担当者の人柄や対応も重要なポイントです。こちらの相談や価格交渉に真摯に耳を傾けてくれる業者を選びましょう。
査定価格に100%満足できるケースばかりではありません。「あともう少し上がりませんか?」といった価格交渉を持ちかける場面もあるでしょう。その際に、頭ごなしに無理ですと突っぱねるのではなく、できる限りの検討をしてくれたり納得できる理由を説明してくれる業者は信頼できます。逆に、最初から高圧的だったりこちらの話を全く聞かないような担当者だと、契約手続きの段取りなどでも不安が残りますよね。
不動産の買取は、金額も手続きも大きな取引ですから、最後まで気持ちよく進められる相手を選びたいものです。「この人になら任せられる」と思える担当者かどうか、面談や電話相談の際の印象も含めて判断しましょう。
💡 ワンポイント: 価格交渉自体はケースバイケースですが、他社の見積もり額を引き合いに出して「A社さんは○○万円と言っていますが…」と相談してみるのも一つの手です。全く同額に合わせるのは難しくても、「では○○万円までなら…」と歩み寄ってくれることもあります。当社でも可能な限りお客様のご希望に沿えるよう柔軟に対応いたしますので、ご遠慮なくご相談ください。
10. 【ケース別】不動産買取で知っておくべきこと
一口に「不動産」と言っても、戸建ての家・土地・空き家など様々な種類があります。それぞれのケースで買取の際に知っておくべきポイントや注意点が若干異なりますので、簡単に整理しておきましょう。
10-1. 「家(戸建て)の買取」について知っておくべきこと
戸建て住宅(居住用不動産)の買取については、基本的にこれまで解説してきた内容と同様です。つまり、
- 仲介より価格が安くなりがちな点(相場の6~8割程度)
- 物件によっては買取不可の場合もある点(極端な老朽物件など)
- 高く売るには複数社に査定依頼して競わせること
この3点が重要です。大切なのは、「安くなると分かっていても早期売却したい事情があるか」「どうしても仲介では売れない物件か」といった動機と物件特性を踏まえた選択をすることですね。先述のメリット・デメリットを再確認し、家の売却目的に合った方法を選びましょう。
なお、家の買取を検討する際には住み替えローンなどの活用も視野に入れてください。例えば現在住宅ローン返済中で、買取価格ではローンを完済しきれない場合、自己資金で補填する必要があります。しかし次に新居を購入予定であれば、「住み替えローン」で不足分もまとめて借り入れる方法もあります(新居のローンに旧居ローン残債分を上乗せして貸してもらう制度) 。早期売却して新生活に移行したい場合に検討すると良いでしょう。
10-2. 「土地の買取」について知っておくべきこと
更地や古家付き土地など土地のみを売却する場合の買取については、次の点に留意しましょう。
- 土地の測量が必要かどうか(境界確定測量)
- 古家があっても現状のまま売却可能か
通常、土地を売却する際には面積や境界を明確にするため確定測量を行うケースが多いです。なぜなら、土地の評価額は面積に大きく左右される上、登記簿上の面積と実測が異なることも往々にしてあるからです。仲介で個人に土地を売る場合、測量図がないと買主が不安に思うため売主側で測量実施がほぼ必須となります。しかし買取の場合、不動産会社が買取後に測量してくれるケースが多く、売主自身が事前に測量を手配しなくても済むことがあります。特に古い土地で境界標が不明確な場合など、測量費用(数十万円以上)の負担をしなくて良いのは買取のメリットと言えるでしょう。
次に、土地上に古い建物(空き家など)が残っている場合についてです。仲介で土地を売るときは解体して更地にするか、そのまま「古家付き」として売り出すか迷うところです。更地にすれば買い手は付きやすくなりますが、解体費用がかかります。一方買取の場合、ほとんどの不動産会社は古家が残ったままでも現状有姿で買い取ってくれます。業者側で解体・整地して新築用地として再販する流れですね。したがって、無理に解体費用をかける必要はなく、「〇〇万円(古家付き現状渡し)」という条件で買取契約となるでしょう。
もちろん物件次第では「更地にしてくれたらもう少し高く買います」と言われるケースもありますが、その場合も見積もり金額と解体費用を差し引き比較して得か損か判断してください。当社では現状のまま買取可能ですので、解体の手間も省けます。
10-3. 「空き家の買取」について知っておくべきこと
長年放置された空き家をお持ちの場合も、買取は有力な選択肢です。ただし空き家は総じて築古物件が多く、やはり市場では売れにくい傾向にあります。そのため、空き家こそ買取が適しているケースが多いです。
ただし空き家の中には、立地や状態次第で他の活用策が考えられる場合もあります。例えば、「建物は古いが土地は広く観光地に近い」という空き家なら、思い切ってリフォームして民泊に活用するといった道もあり得ます。また、自治体によっては空き家バンク制度でマッチングを支援してくれるところもあります。買取で売却する前に、そうした外部サービスや補助金制度なども一応調べてみると良いでしょう。
さらに、空き家を相続したケースでは所有者(相続人)全員の同意が必要な点も注意です。共有名義になっている場合、1人でも反対者がいると売却はできません。買取を進めるなら、早めに他の共有者と話し合い全員の合意を取り付けましょう。どうしても意見が割れる場合は、相続分を一人が買い取って単独所有にまとめてから売るという方法もあります。
空き家は放置すると固定資産税などのコストがかさむばかりか、管理不足で近隣に迷惑をかけてしまうリスクもあります。**「使わないなら早めに手放す」**のが鉄則です。買取なら買手を探す時間も省けますので、ぜひ検討してみてください。
11. 不動産買取に関するよくあるQ&A
最後に、不動産の買取について売主の方からよく寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。
Q. 売主側は「買取」の際にどんな費用がかかりますか?
A. 不動産会社への仲介手数料はかかりませんが、印紙税や譲渡所得税などは必要です。
買取では仲介手数料が不要なのは先述の通りですが、その他に共通して必要となる費用があります。具体的には、売買契約書に貼付する収入印紙代(印紙税)や、不動産売却で利益が出た場合の譲渡所得税(後日確定申告で納税)が挙げられます。また、登記関連の書類を紛失していればその再発行費用、引越しや一時的な残置物の処分費用なども発生するでしょう。仲介と比べて特別余計に費用がかかるわけではありませんが、税金関係の支払いは忘れずに見込んでおきましょう。
Q. ローンが残っている家でも「買取」してもらえますか?
A. ローン残債を完済できれば売却可能です 。ただし買取金額がローン残高を下回る場合は、不足分を自己資金で補って一括返済する必要があります。
住宅ローン返済中の家でも売却自体は可能です 。売却時には金融機関が設定している抵当権を外すために、ローンの残債を全額返済しなければなりません。買取代金でローンを完済できるケースなら特に問題なく売却できます。一方、いわゆるオーバーローン(ローン残高のほうが売却額より多い)状態の場合、売却金だけでは完済できないため差額を現金で用意しなければなりません。貯蓄で賄えない場合は難しいですが、新居購入を伴う売却であれば住み替えローンを利用して不足分も含めて借り入れる方法があります 。まずは現在の残高と買取査定額を確認し、銀行や不動産会社に相談してみましょう。
Q. 家電や家具など不要なものも一緒に引き取ってもらえますか?
A. 買取業者によって対応は様々ですが、引き取ってもらえるケースもあります(処分費用の有無を事前確認しましょう)。
住み替えや引越しに伴い、大型の家具・家電が不要になることもありますよね。買取契約の際に「このまま置いていってもいいですか?」と相談すれば、業者がそのまま引き取って処分してくれることもあります。ただし、処分にかかる実費を清算したり、その分買取額が減額になったりする可能性もありますので、事前にどういった対応が可能か確認しておくと安心です。当社でも不要品の処分についてご相談に乗りますので、お気軽にお申し付けください。
Q. 共有名義の不動産ですが、「買取」してもらえますか?
A. 所有者全員の同意があれば可能です。 全員が売却に合意していれば問題なく買取できますが、誰か一人でも反対している場合は売ることができません。
不動産が夫婦や親子など複数人の共有名義になっている場合、売却には共有者全員の合意と署名捺印が必要です。買取でもそれは変わりません。もし「一人が持分を売りたがらない」という状況なら、その共有者から持分を買い取って権利を一本化するか、説得して売却に応じてもらうしかありません。いずれにせよ、権利者が納得しない限り売却は進められないので注意しましょう。なお相続で共有状態になっている不動産の売却については専門的な問題もありますので、必要に応じて弁護士等に相談されることをおすすめします。
12. まとめ
本記事では、不動産売却の方法としての**「買取」**について、基本からメリット・デメリット、向いている人の条件、業者選びのコツなどを詳しく解説しました。
「不動産買取」とは、不動産会社があなたの家や土地を直接買い取る売却方法のことです。買主探しをする仲介とは異なり、すぐに現金化できる反面、価格は市場相場の6~8割程度に低くなりがちという特徴があります。
買取の主なメリットは次の5点でした。
- 売却完了までが速い(数日~1ヶ月程度で現金化)
- 仲介手数料がかからない(売主の負担費用を削減)
- 内覧対応が不要(他人に家を見せる手間・ストレスなし)
- 周囲に知られずに売却できる(広告活動不要で秘密裏に進められる)
- 契約不適合責任を免除してもらえる(売却後のトラブルリスクが小さい)
買取のデメリットとして押さえておくべきは以下の2点です。
- 売却価格が安くなりやすい(市場価格の6~8割程度に抑えられる可能性)
- 物件によっては買取不可のこともある(老朽化が激しい物件など業者に敬遠されるケース)
そして**「買取」が向いている人の条件と、「仲介」が向いている人**の条件を比較すると次のようになります。
- 買取が向いている人: とにかく早く売却したい/周囲に知られず手放したい/古い・訳あり等で売れにくい物件を持っている人 など
- 仲介が向いている人: できるだけ高く売りたい/売却を急いでいない/築浅・好立地など売れやすい物件を持っている人 など
ご自身の状況に合わせて、どちらの方法がベターか検討してみましょう。迷った場合は両方の査定を取って比較するのも有効です。
最後に、不動産会社選びやケース別の注意点、Q&Aも紹介しました。信頼できる業者に依頼することで、買取によるスピード売却も安心して進めることができます。当社 Torus不動産合同会社(岡山市) でも、ローン問題や離婚による売却など様々なご事情に対応し、即日査定・スピード買取のご相談を承っております。今回の解説が皆様の判断材料となり、スムーズな不動産売却のお役に立てれば幸いです。ぜひお気軽にお問い合わせください。