
「親から相続した岡山市の実家、誰も住む予定がない…」「昔買った家が空き家になっているけど、どうしたらいいか分からない」
近年、このようなお悩みを抱える方が増えています。活用予定のない中古住宅、とくに空き家を所有し続けることには、実は多くのリスクが潜んでいます。
この記事では、岡山市で不要な中古住宅の処分に悩む方へ向けて、具体的な処分方法から、放置した場合に起こりうる深刻なリスク、そして売却時に失敗しないための注意点まで、不動産のプロの視点から分かりやすく解説します。
「何から手をつければいいの?」という方も、この記事を読めば、ご自身の状況に合った最善の一手が見つかるはずです。
なぜ早く処分すべき?不要な中古住宅を所有し続ける3つの深刻なリスク
「そのうち考えよう」と問題を先送りにしていませんか?しかし、空き家は時間が経つほど状況が悪化し、所有者にとって大きな負担となります。まずは、所有し続けることの具体的なリスクを理解しましょう。
リスク①:資産価値が目減りし、倒壊の危険も。加速する建物の劣化
人が住まなくなった家は、驚くほど早く劣化が進みます。
- 換気不足による湿気とカビ: 結露やカビが壁や床を蝕みます。
- 害虫・害獣の発生: ネズミやシロアリが住み着き、柱や断熱材を破壊します。
- 雨漏りや設備の故障: 定期的なメンテナンスがなければ、小さな不具合が建物全体にダメージを広げます。
劣化が進行すれば、いずれは倒壊の危険性も出てきます。万が一、倒壊して近隣の家屋や通行人に被害を与えてしまった場合、所有者として莫大な損害賠償責任を負うことになりかねません。
リスク②:「住んでいないのに…」かかり続ける税金と維持費
空き家でも、所有している限り費用は発生し続けます。
- 固定資産税・都市計画税: 毎年必ず課税される税金です。後述しますが、特定空家に指定されると税金の優遇措置が受けられなくなり、負担が最大6倍に跳ね上がる可能性があります。
- メンテナンス費用: 庭の草刈り、小規模な修繕、定期的な見回りなど、最低限の管理にも費用と手間がかかります。
- 保険料: 火災保険などの加入も必要です。
- マンションの場合: 上記に加え、管理費・修繕積立金が毎月発生します。
これらの費用は、年間で数十万円にのぼることも珍しくなく、まさに「負の資産」となって重くのしかかります。
リスク③:税金が6倍に?「特定空家」指定という行政処分
周辺環境に悪影響を及ぼす空き家は、行政から「特定空家」に指定される可能性があります。これは「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づく措置です。
「特定空家」に指定されると…
- 助言・指導: 行政から建物の改善(修繕や解体など)を求められます。
- 勧告: 指導に従わない場合、勧告が出されます。この時点で固定資産税の住宅用地特例が解除され、税額が最大6倍になります。
- 命令: さらに従わない場合は命令が出され、違反すると過料が科せられます。
- 行政代執行: 最終的には、行政が強制的に建物を解体し、その費用(数百万円にのぼることも)が所有者に請求されます。
2023年12月には法改正が施行され、「特定空家」になる前の段階である**「管理不全空家」**という区分が新設されました。これにより、勧告の対象が拡大され、より早い段階で固定資産税の優遇措置が解除される可能性が出てきました。放置はもはや許されない状況になっているのです。
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【状況別】中古住宅の処分方法4選|メリット・デメリットを比較
リスクを理解した上で、具体的な処分方法を見ていきましょう。ご自身の状況や希望に合った方法を選ぶことが重要です。
方法①:少しでも高く売りたいなら「仲介での売却」
不動産会社に買主を探してもらう、最も一般的な方法です。
- メリット: 市場価格に近い、比較的高値での売却が期待できます。
- デメリット: 売れるまでに時間がかかる(3ヶ月~1年以上)、売却活動の手間がかかる、買主が見つからない可能性もある。
<プロの視点>「そのまま売る」か「解体して売る」か?
- 建物ごと売る: 築年数が浅く、リフォームすれば十分に住める状態ならこちらがおすすめ。解体費用がかかりません。
- 解体して更地で売る: 建物が著しく老朽化している場合。買主が自由に家を建てられるため、買い手が見つかりやすくなることがあります。ただし、岡山市内でも解体費用は100万円以上かかるケースが多いため、売却価格とのバランスを考える必要があります。
方法②:とにかく早く・確実に手放したいなら「買取」
不動産会社に直接物件を買い取ってもらう方法です。
- メリット: 最短数日~数週間で現金化が可能。仲介手数料が不要。近所に知られずに売却できる。契約不適合責任が免責されるケースが多い。
- デメリット: 売却価格が仲介の7~8割程度になるのが一般的。
遠方にお住まいで管理が難しい方や、手間をかけず、とにかく早く問題を解決したい方には最適な方法と言えるでしょう。
方法③:お金にならなくても良いなら「寄付」
個人や法人、自治体などに無償で譲渡する方法です。
- メリット: 売却の手間や費用がかからない。所有者としての責任から解放される。
- デメリット: 必ずしも引き取ってもらえるとは限らない。特に個人への寄付は、相手に贈与税がかかるため現実的ではありません。自治体も活用が見込める物件でなければ受け入れは難しいのが実情です。
まずは寄付を検討している自治体の窓口や、不動産会社に相談してみましょう。
方法④:岡山市の制度を活用する「空き家バンクへの登録」
岡山市が運営する「空き家バンク」に物件情報を登録し、移住希望者など買いたい人・借りたい人を探してもらう制度です。
- メリット: 公的な制度なので安心感がある。市のホームページなどで広く情報を発信してもらえる。
- デメリット: 登録してもすぐに買い手・借り手が見つかる保証はない。
地域貢献に関心がある方や、少しでも活用される可能性を探りたい方は、一度検討してみる価値はあるでしょう。
プロが教える!中古住宅を処分するときの3つの重要注意点
いざ処分を決めても、思わぬ落とし穴にはまることがあります。後悔しないために、以下の点は必ず押さえてください。
注意点①:売却前に必須!室内の「残置物」はすべて撤去
相続した実家には、家具や家電、衣類などの「残置物」がそのままになっているケースがほとんどです。売却の際は、買主に引き渡す前にこれらをすべて撤去し、空っぽの状態にするのが原則です。
処分には専門業者への依頼が必要な場合が多く、費用もかかります。ただし、買主との交渉次第では、一部の家具などを残したまま引き渡せるケースもあります。事前に不動産会社を通じて確認しましょう。
注意点②:最もトラブルになりやすい「契約不適合責任」
中古住宅の売却で最も注意すべきなのが「契約不適合責任」です。これは、**「契約内容と異なる物件を引き渡した場合に売主が負う責任」**のことです。
例えば、
- 売却後に雨漏りが発覚した
- シロアリ被害があることを伝えずに売った
- 給湯器が故障していることを知っていたが黙っていた
といった場合、売主は買主から追完請求(修理)、代金減額請求、損害賠償請求、契約解除などを求められる可能性があります。恐ろしいのは、売主自身が知らなかった不具合(隠れた瑕疵)についても責任を問われる点です。
<リスク対策>
- ホームインスペクション(住宅診断)の実施: 売却前に専門家に建物の状態を診断してもらい、問題点を正確に把握する。
- 告知義務の徹底: 把握している不具合は、ささいなことでも全て不動産会社に伝え、「告知書」に記載して買主に説明する。
誠実な対応が、後のトラブルを防ぐ最大の防御策です。
注意点③:相続前なら「相続放棄」も。ただし慎重な判断を
もし、まだ不動産を相続する「前」の段階であれば、「相続放棄」という選択肢もあります。これは、被相続人(亡くなった方)の財産を一切受け継がない手続きです。
ただし、**相続放棄は、不要な中古住宅だけでなく、預貯金や有価証券といったプラスの財産もすべて放棄することになります。**負債(借金など)も相続しなくて済みますが、一部の財産だけを選ぶことはできません。
家庭裁判所への申述が必要で、期限(原則として相続開始を知ったときから3ヶ月以内)もあるため、慎重な判断が必要です。
まとめ:岡山市の空き家・中古住宅問題は、専門家への相談が解決の第一歩
不要な中古住宅を所有し続けることには、金銭的負担だけでなく、精神的にも大きなストレスが伴います。放置すればするほどリスクは高まり、選択肢も狭まってしまいます。
「仲介」「買取」「寄付」「空き家バンク」など、処分にはさまざまな方法があり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。ご自身の状況や物件の状態、そして「何を優先したいか」を明確にすることが、最適な方法を見つける鍵となります。
また、2024年4月からは相続登記も義務化され、不動産所有者の責任はますます重くなっています。
「うちの場合はどうなんだろう?」「何から始めたらいいか分からない」 そう感じたら、ぜひ一度、地域情報に精通した不動産のプロにご相談ください。複雑な手続きや法的な注意点も含め、あなたにとって最善の解決策を一緒に見つけるお手伝いをいたします。
Torus不動産では、岡山市全般(南区、北区、中区、東区)の土地・建物・マンションなど、幅広い不動産の売却に対応しております。無料査定も実施しておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
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