持ち家はデメリットが多い?知っておくべきリスクと後悔しないための方法

マイホームを買うべきか、それとも賃貸のままでいるべきか――30代や40代の方を中心に、一度は悩む大きなテーマではないでしょうか。確かに「いつかは自分の家を持ちたい」と考える人は多いものの、一方で**「持ち家にはデメリットが多い」とも言われます。住宅ローンの重圧や固定資産税といった経済的負担、急な転勤や家族構成の変化に柔軟に対応できるか…不安に感じる材料は少なくありません。本記事では、持ち家にまつわる一般的なリスクやデメリットをいくつか取り上げ、それらを賃貸生活と比較したときの違い**や費用面のバランスも交えながら丁寧に解説します。決して「持ち家=悪」という極端な結論に陥ることなく、後悔しないために知っておきたいポイントを整理していきますので、ぜひ最後までお読みください。

持ち家の主なリスク・デメリット

まず、持ち家を購入した場合にどのようなリスクやデメリットが考えられるのか、代表的なものを見てみましょう。

  • 長期間にわたる住宅ローン返済の重圧とリスク: マイホーム取得には多くの場合、高額な住宅ローンを組む必要があります。数十年という長期間のローン返済は家計に重くのしかかり、もし収入減や病気などで返済が滞れば最悪家を失うリスクも否定できません 。実際、住宅ローンの返済を怠ればマイホームを手放さざるを得なくなるケースがあり、人生設計に大きく影響します。
  • 高額な初期費用の負担: 住宅購入時には頭金や諸費用など、入居前に数百万円規模の初期費用が必要です 。賃貸であれば敷金・礼金や仲介手数料などせいぜい数ヶ月分の家賃相当で済むところ、持ち家では物件価格の一部や各種手数料を用意しなければなりません。こうした初期コストの高さは持ち家取得のハードルの一つと言えるでしょう。
  • 固定資産税など毎年発生する維持費: 持ち家を所有すると、毎年固定資産税や都市計画税といった税金の支払い義務が生じます。また火災保険料やマンションなら管理費・修繕積立金、一戸建てでも将来のメンテナンス費用積立など、維持費も馬鹿になりません。賃貸なら修繕費や固定資産税等は大家(家主)が負担しますが 、持ち家では当然これらを自分で支払う必要があります。ローン返済と別に毎年数十万円規模の固定費がかかる点は見落とせないデメリットです。
  • 修繕・リフォーム費用の発生: 長く住めば設備の劣化や不具合も避けられず、修繕やリフォームの費用も自分で負担しなければなりません。とくに戸建ての場合、屋根や外壁の補修、給排水や設備機器の交換などでまとまった出費が発生します。例えば、新築戸建てでは20年後と40年後にそれぞれ約200万円の修繕費用が必要になるとの試算もあります 。定期的に積立をして備えておかないと、いざという時に家計を圧迫しかねません 。
  • ライフイベントによる住み替えの難しさ: 持ち家は簡単に引っ越しや住み替えができない点も大きな特徴です 。例えば急な転勤で遠方に移らざるを得なくなった場合、賃貸であれば解約して新天地で住居を探せば済みますが、持ち家だと売却先を探すか賃貸に出す必要が生じます。離婚など家族構成の変化で家を手放す判断を迫られるケースもあり、売却しようとしてもすぐに買い手が見つかるとは限りません 。不動産という資産が却って身動きの取りづらい足かせになってしまう可能性も念頭に置く必要があります。
  • 資産価値下落のリスク: 購入時には大きな価値を持つマイホームも、将来まで同じ価格で売れる保証はありません。日本の木造戸建住宅では、築30~35年ほどで建物の評価額がほぼゼロになるというのが一般的な査定基準です 。つまり築年数とともに建物部分の資産価値は大きく目減りしていく傾向があり、中古市場では想定より売却価格が下がってしまうことも少なくありません 。立地環境や不動産市況によっては、購入時より大幅に安い価格でしか売れないケースもあり、ローン残高が資産評価を上回ってしまうオーバーローンのリスクも考えられます。資産形成のつもりで買った持ち家が、必ずしも将来高値で売れる資産になるとは限らない点は押さえておきましょう。

賃貸 vs 持ち家:自由度と費用面の違い

以上のように持ち家には様々なリスク・負担が伴いますが、賃貸暮らしと比較すると具体的にどのような違いがあるのでしょうか。ここでは自由度費用面に注目して、賃貸と持ち家それぞれの特徴を見てみます。

まず自由度の点では、賃貸住宅の大きなメリットは身軽さにあります。家賃さえ払い続ければ、ライフスタイルの変化に応じて気軽に住み替えができるのは賃貸ならではの利点です 。たとえば仕事の都合や子どもの学校の関係で転居したくなった場合でも、持ち家のように買い手を探して処分する手間なく、新しい住まいに移り住むことができます。さらに賃貸の場合、毎月の家賃以外に修繕費や固定資産税などの維持コストがかからないため、ランニングコストを低く抑えられる傾向があります 。初期費用も敷金・礼金程度で済み、入居後の税金や大規模修繕も不要なので、当面の出費を最小限にできる点は魅力です。

一方で賃貸には「支払い続けても手元に資産が残らない」デメリットもあります。どれだけ長年家賃を支払っても住宅は自分の所有にはならず、老後までずっと家賃を払い続けなければなりません 。高齢になって収入が年金だけになったとき、賃貸だと月々の家賃負担が重くのしかかるうえ、収入面の不安から高齢者は新規に賃貸契約を結びにくくなるという指摘もあります 。将来的に実家を相続できる見込みがない限り、老後の住まいをどうするかという課題は賃貸派にとって避けて通れないでしょう。

持ち家の場合は資産が手元に残る安心感がある反面、自由度や費用面で賃貸より制約が多いという関係です。先述したように、持ち家はローン返済や各種維持費の負担が大きく、気軽に引っ越しもできません。しかしローンを完済してしまえばその後の住居費は大幅に軽減され、賃貸のように一生家賃を払い続ける必要はなくなります 。実際、ある試算では居住開始から約40年間は持ち家の総支出が賃貸を上回るものの、60年後まで長期間住み続けた場合には持ち家の方が累計コストが低くなる結果が示されています 。もちろん物件価格や金利、家賃相場、ライフイベントなど条件次第で異なりますが、**「短期間なら賃貸有利・長期的には持ち家有利」**という傾向は一つの目安と言えるでしょう。

要するに、賃貸と持ち家のどちらが得かは一概には決まらず、住む期間やライフスタイルによって結論が変わるのです。経済面の損得だけでなく、家に対して重視する価値観(資産として残したいか、身軽さを優先するか)や将来の見通しを踏まえて判断することが大切です。

持ち家のメリットもあるが、タイミングと目的に応じた慎重な判断を

ここまで主に持ち家のリスク面に焦点を当てましたが、もちろんマイホームを持つことにはメリットも数多く存在します。たとえば自分の持ち家であれば内装や設備を自由にリフォームしたり、好みの家具やインテリアで愛着の持てる空間を作れるのは大きな魅力です。また住宅を資産として所有できる安心感も見逃せません。住宅ローンさえ完済してしまえば、その後は毎月の住居費負担がぐっと軽くなり、老後の住まいを確保できる安心感につながります 。万一ローン返済中に契約者が亡くなった場合でも団体信用生命保険によって残債がゼロになり、家族にローンのないマイホームを残せるといった保障も持ち家ならではの強みです 。

しかし、こうしたメリットがあるからといって誰にとっても持ち家が最善の選択になるとは限りません。ライフステージや収入状況によっては、あえて賃貸を選んだほうが合理的な場合も多々あります。マイホームを購入する適切なタイミングや目的は人それぞれ異なるため、周囲の意見や「家を持つのが当たり前」という固定観念に流されず冷静に見極めたいところです。

例えば、転勤の心配がなく長期間腰を据えて暮らせる方や、退職までに住宅ローンを完済できる安定収入のある方などは持ち家に向いているとされています 。将来お子さんに家を遺したいと考えている場合や、「いつかは自分好みの家を手に入れたい」という強い希望がある方も、購入に踏み切る十分な動機になるでしょう。一方で、将来のライフプランが定まっていなかったり家族計画が流動的なうちは、無理に持ち家を持たず賃貸で柔軟に暮らす方が結果的に後悔しないケースもあります。住宅購入はゴールではなくライフプランの一部です。現在の貯蓄状況や仕事の見通し、家族の意向などを総合的に考慮し、「今は買うべき時か?」を慎重に判断することが大切です。

重要なのは、持ち家のメリット・デメリットを正しく理解したうえで、各ご家庭の状況に応じた最適解を選ぶことです。周囲でマイホームを購入している人が多いからといって焦る必要はありません。賃貸にも持ち家にも良し悪しがあることを踏まえ、ご自身の人生設計に照らしてベストな選択は何かをゆっくり見極めましょう。

迷ったときは専門家に相談を

住宅の購入は人生でも一二を争う大きな決断です。「賃貸のままの方がいいのか、それとも思い切って買った方がいいのか」と判断に迷うときは、信頼できる専門家に相談してみることも一つの方法です。不動産のプロに現状の不安や将来の展望を打ち明けることで、第三者の客観的な視点から有益なアドバイスを得られるでしょう。岡山市・倉敷市など地元に根ざした不動産のプロであるTorus不動産合同会社でも、お客様一人ひとりのライフプランに合わせたアドバイスを心がけております。持ち家の購入か賃貸かで迷われている方は、ぜひお気軽にご相談ください。当社では将来設計に沿った最適な住まいのプランをご提案できるよう、専門知識を持ったスタッフが無料相談を承っております。

「持ち家 vs 賃貸」の悩みは誰しも直面し得るものです。一人で抱え込む必要はありません。専門家と一緒にじっくり検討することで、きっとご自身とご家族にとって後悔のない住まい選びができるはずです。迷ったときこそプロの知恵を活用し、将来につながる納得の選択をしていきましょう。