退去費用で損しない!賃貸の壁紙を自分でキレイに補修する裏ワザ

賃貸物件からの退去時、「高額な原状回復費用を請求されたらどうしよう…」と不安に感じたことはありませんか?特に、壁紙(クロス)のちょっとした傷や汚れは、敷金が返ってこないどころか、追加で費用を請求される原因になりがちです。

しかし、諦めるのはまだ早いかもしれません。実は、多くの人が知らないだけで、自分でキレイに、しかも安価に補修できる「裏ワザ」が存在します。さらに言えば、そもそもその傷や汚れの修繕費用をあなたが支払う必要がないケースも多いのです。

この記事では、国土交通省のガイドラインに基づいた退去費用の基本ルールから、画鋲の穴、壁紙の剥がれ、厄介な汚れまで、ケース別に自分でできる具体的な補修テクニックを徹底解説します。賢い知識と裏ワザを身につけて、不当な請求から身を守り、気持ちよく新生活をスタートさせましょう。

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大前提:その補修、大家さんに言ってから?言わずにやる?

DIY熱が高まるあまり、すぐに補修作業に取り掛かりたくなる気持ちはわかります。しかし、賃貸物件はあくまで「借り物」。勝手な補修は、良かれと思ってやったことが「契約違反」と見なされ、かえって高額な費用を請求されるリスクがあります 。  

基本は「事前に大家さん・管理会社に相談・許可を得る」ことです 。  

「画鋲の穴を少し埋めたいのですが、自分で補修しても良いですか?」 「壁紙が少し剥がれてきたので、市販の接着剤で補修を試みたいのですが、問題ないでしょうか?」

このように一本連絡を入れておくだけで、退去時のトラブルを未然に防ぐことができます。プロの目から見れば素人による補修はすぐに分かり、仕上がりが悪いと結局プロがやり直すことになり、費用が二重にかかる可能性もあるのです 。  

退去費用の基本ルール:そもそも、その傷はあなたが払うべき?

自分で補修する前に、もっと大切なことがあります。それは「その壁紙の傷や汚れの修繕費用は、本当にあなた(借主)が負担すべきものなのか?」を見極めることです。

この判断基準として、国土交通省が「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を定めています。このガイドラインの重要なポイントは以下の2つです 。  

  1. 貸主(大家さん)が負担すべきもの
    • 経年劣化:時間の経過とともに自然に発生する損耗(例:日光による壁紙の変色)。  
    • 通常損耗:普通に生活していて発生するレベルの傷や汚れ(例:ポスターを貼るための画鋲の穴、家具の設置による軽微なへこみ)。   これらの修繕費用は、すでに毎月の家賃に含まれていると考えられています 。  
  2. 借主(あなた)が負担すべきもの
    • 故意・過失による損傷:不注意やわざとつけた傷や汚れ 。  
    • 通常の使用を超える損傷:掃除を怠ったことで発生したカビや油汚れなど 。  
    • 具体例:タバコのヤニ汚れ、落書き、結露を放置して発生したカビ、下地ボードにまで達する釘やネジの穴など 。  

知らないと損する「耐用年数6年」のルール

さらに、壁紙には「耐用年数6年」という考え方があります 。これは、6年かけて壁紙の価値が1円になるという減価償却の考え方です。  

つまり、あなたが6年以上同じ部屋に住んでいた場合、たとえ故意・過失で壁紙を汚してしまったとしても、その壁紙の価値はほぼゼロと見なされ、張替え費用を負担する必要はほとんどないのです 。  

例えば、入居から4年で退去する場合、壁紙の価値は残り2年分(約33%)です。張替え費用が6万円だったとしても、あなたの負担額は2万円程度に軽減される計算になります 。  

このルールを知っているだけで、退去時の交渉を有利に進めることができます。

【ケース別】100均グッズでOK!自分でできる壁紙補修の裏ワザ

負担義務があると判断された傷や、通常損耗だけどどうしても気になる…という場合に、自分でできる簡単な補修方法をご紹介します。

レベル1:画鋲やピンの小さな穴

カレンダーやポスターを貼った画鋲の穴は、基本的に「通常損耗」なので補修義務はありません 。しかし、数が多かったり、少し目立つ場合は、以下の方法で簡単に見えなくすることができます。  

  • 裏ワザ①:ティッシュと爪楊枝
    1. ごく少量のティッシュをこより状にします。
    2. 爪楊枝の先で、穴にティッシュを優しく押し込みます 。  
    3. (より強力にする場合)穴に木工用ボンドを少しだけ入れ、その上からティッシュを詰めると、より自然に仕上がります 。ボンドは乾くと透明になります。  
  • 裏ワザ②:100均の「壁の穴埋めパテ」 ダイソーやセリアなどで手に入るチューブタイプの補修材です。穴に少量注入し、指やヘラで平らにならすだけで完了です 。  

レベル2:壁紙のちょっとした剥がれ・めくれ

壁紙の継ぎ目や角が少しめくれてきた場合も、慌てる必要はありません。

  • 裏ワザ③:壁紙用のりとローラー
    1. 剥がれた部分の裏側と壁のホコリを固く絞った雑巾で拭き取ります 。  
    2. ホームセンターなどで手に入る「壁紙用のり(ジョイントコークなど)」を、剥がれた部分の裏側に薄く均一に塗ります 。  
    3. 壁紙を元に戻し、専用のローラー(なければ硬いカードなどでも代用可)で中央から外側に向かって空気を抜きながら圧着します 。  
    4. はみ出したのりは、乾く前に濡れた布でしっかり拭き取ります 。  
  • 【ポイント】ドライヤーでクセを直す! 剥がれた壁紙が硬化して「めくれグセ」がついている場合は、接着する前にドライヤーの温風を当てて柔らかくしてあげると、きれいに貼り付けやすくなります 。  

レベル3:壁紙の破れ・傷(切り貼り補修)

ペットの爪とぎや、家具をぶつけてできた破れは、少し高度な「切り貼り(パッチワーク)」で補修します。

  • 裏ワザ④:重ねて切るのがプロの技
    1. 補修したい破れよりも一回り大きい、同じ柄の補修用壁紙を用意します。
    2. 破れた箇所の上に補修用壁紙を重ね、柄がずれないようにマスキングテープで四方を固定します 。  
    3. 定規を当て、補修用壁紙と下の元の壁紙を一緒にカッターで四角く切り込みを入れます 。これがキレイに仕上げる最大のコツです。  
    4. 切り取った補修用壁紙と、下の古い壁紙(破れた部分)の両方を取り除きます 。  
    5. 開いた部分に、先ほど切り抜いた新しい壁紙を貼り付ければ、継ぎ目がほとんど目立たない仕上がりになります 。  

レベル4:汚れ・黒ずみ・落書き

汚れは原因によって落とし方が異なります。必ず目立たない場所で試してから実践してください。

  • 手垢・黒ずみ:スイッチ周りなど
    • **100均の「アルカリ電解水」や「重曹クリーナー」**を布に含ませて拭くのが効果的です 。  
    • ダイソーの「壁紙・床用消しゴム」もピンポイントの汚れに有効です 。  
  • クレヨンの落書き(油性)
    • クレンジングオイルを布や綿棒に含ませ、優しく叩くようにして油分を浮かせます。その後、洗剤をつけた布で拭き、最後に水拭きで仕上げます 。  
  • 油性マジック・油性ボールペン
    • 無水エタノールマニキュアの除光液を綿棒につけ、インクを溶かすように叩きながら汚れを布に移し取ります。インクが広がらないよう、根気強く少しずつ行うのがコツです 。  
  • 水性ペン・水性絵の具
    • 中性洗剤(食器用洗剤)や歯磨き粉をつけた歯ブラシで優しくこすり、汚れを浮かせた後に水拭きします 。  

これはプロに任せるべき!自分で補修しない方がいいケース

全ての傷を自分で直せるわけではありません。以下のような場合は、下手に手を出さず、正直に管理会社に報告し、プロに任せるのが賢明です。

  • 石膏ボードにまで達する大きな穴  
  • 広範囲にわたる破れ、汚れ、カビ
  • 紙製や布製など、デリケートな素材の壁紙

自分で補修して失敗すると、被害を拡大させてしまい、結果的に請求額が跳ね上がる可能性があります。

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まとめ:賢く補修して、気持ちよく退去しよう

退去時の壁紙トラブルは、正しい知識があれば防げるものがほとんどです。最後にポイントを振り返りましょう。

  1. まずは負担区分を確認:その傷は「経年劣化・通常損耗(大家さん負担)」か「故意・過失(自分負担)」かを見極める。
  2. 「耐用年数6年」を忘れずに:長く住んでいるほど、あなたの負担は軽くなる。
  3. 自分で補修する前には管理会社へ相談を。
  4. 小さな傷や汚れは裏ワザで賢く対処:100均グッズや家にあるもので十分対応可能。
  5. 手に負えない損傷は正直に報告し、プロに任せる。

これらの知識を武器に、不必要な退去費用を支払うことなく、すっきりと新生活への一歩を踏み出してください。

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