【2025年版】年金受給者の不動産売却|年金は減る?税金や保険料など注意点をプロが解説

この記事のハイライト

  • 年金への影響: 不動産を売却して利益が出ても、老齢年金(国民年金・厚生年金)の支給額が減ることは原則ありません。
  • 税金の発生: 売却で利益(譲渡所得)が出た場合は、翌年に確定申告と譲渡所得税の納税が必要です。
  • 注意すべき費用: 売却益によって、翌年の「国民健康保険料(後期高齢者医療保険料)」や「介護保険料」が上がる可能性があります。
  • 事前の計画: 税金や保険料の支払いを考慮した資金計画と、売却後の生活設計をしっかり立てることが成功のカギです。

岡山市で大切な不動産の売却を検討されている年金受給者の方へ。

「家を売ったら、年金が減らされてしまうのでは?」「思わぬ税金がかかって損をするのではないか?」といった不安をお持ちではないでしょうか。

ご安心ください。不動産を売却した利益が、年金の支給額そのものを直接減らすことは基本的にありません。しかし、税金や社会保険料の負担が増える可能性があり、注意すべき点がいくつか存在します。

本記事では、年金受給者の方が安心して不動産売却を進められるよう、年金への影響、税金の仕組み、そして売却後の注意点について、専門家の視点から分かりやすく解説します。岡山市で不動産売却をご検討中の方は、ぜひ最後までご覧ください。


1. 【結論】不動産を売却しても年金の支給額は減りません

多くの方が心配される点ですが、不動産を売却して利益(譲渡所得)を得ても、老齢基礎年金(国民年金)や老齢厚生年金(厚生年金)の支給額が減額されることは原則としてありません。

年金額の決まり方

年金の支給額は、現役時代にどれくらいの期間、いくらの保険料を納付したかに基づいて計算されます。不動産売却による一時的な所得は、この計算には影響しないためです。

「在職老齢年金」も減額されない

60歳以上で会社員として働きながら老齢厚生年金を受け取っている方が対象の「在職老齢年金」は、給与や賞与の額に応じて支給額が調整されます。しかし、不動産売却による利益は給与や賞与といった「労働の対価」ではないため、調整の対象外です。したがって、在職老齢年金が減額されることもありません。

【例外】障害年金の一部は注意が必要

ただし、一つ注意点があります。20歳前にかかった病気やけがが原因で「障害基礎年金」を受給している場合です。この年金には所得制限が設けられているため、不動産売却による所得額によっては、年金の支給が一部または全部停止される可能性があります。ご自身の状況に不安がある場合は、年金事務所へ事前に確認することをおすすめします。


2. 要注意!不動産売却で発生する「3つの費用負担」

年金そのものは減りませんが、不動産売却による利益は「所得」とみなされるため、それに伴って以下の3つの費用負担が発生、または増加する可能性があります。「年金の手取りが減った」と感じる原因は、主にこれらの費用にあります。

費用① 譲渡所得税(所得税・住民税)

不動産を売却して利益が出た場合、その利益に対して「譲渡所得税」が課税されます。これは、給与や年金とは別に計算される税金です。

譲渡所得の計算式 譲渡所得=売却価格−(取得費+譲渡費用)

  • 取得費: 不動産を購入したときの代金や手数料など
  • 譲渡費用: 売却時にかかった仲介手数料や印紙税など

譲渡所得税の税率 税率は、売却した不動産の所有期間によって大きく異なります。

所有期間区分税率(所得税・住民税・復興特別所得税の合計)
5年以下短期譲渡所得39.63%
5年超長期譲渡所得20.315%
※所有期間は売却した年の1月1日時点で判定します。

【重要】マイホーム売却なら大幅な節税が可能! ご自身が住んでいたマイホーム(居住用財産)を売却する場合、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。これにより、多くのケースで譲渡所得税がかからなくなります。

この特例やその他の税制優遇を受けるためには、利益が出ても損失が出ても、必ず翌年に確定申告を行う必要があります。

費用② 国民健康保険料/後期高齢者医療保険料

不動産売却で「年金が減る」と誤解される最大の要因が、この健康保険料です。

  • 74歳までの方: 国民健康保険料
  • 75歳以上の方: 後期高齢者医療保険料

これらの保険料は、前年の所得をもとに計算されます。不動産売却で譲渡所得が発生すると、翌年の所得が大幅に増えるため、健康保険料も高くなる可能性があります。

保険料は年金から天引きされることが多いため、手元に残る年金額が減少し、「年金が減った」と感じてしまうのです。保険料の計算方法は自治体によって異なるため、岡山市の窓口などで事前に確認しておくと安心です。

費用③ 介護保険料

65歳以上の方が支払う介護保険料も、前年の所得に応じて保険料額が決まる「所得段階」によって定められています。譲渡所得によって所得が増えると、この所得段階が上がり、翌年の介護保険料が上がる可能性があります。これも健康保険料と同様に、年金からの天引きとなります。


3. 売却後に後悔しないための3つのチェックリスト

安心して売却を終え、その後の生活を豊かにするためにも、以下の3つのポイントを必ず確認しておきましょう。

チェック① 税金・保険料の支払資金を確保しましたか?

譲渡所得税や住民税は、売却の翌年に現金で一括(または分割)納付するのが基本です。売却代金が入ってきても、すぐに全額を使い込んでしまうと、翌年の納税時期に慌てることになりかねません。

事前に不動産会社などに相談し、納税額がいくらになるかシミュレーションしてもらい、必要な資金は必ず手元に残しておきましょう。

チェック② 売却後の「住まい」と「暮らし」の計画は万全ですか?

特にご自宅を売却した場合、その後の生活設計が非常に重要になります。

  • 新しい住まいは?: 賃貸物件に住み替えるのか、サービス付き高齢者向け住宅などへ入居するのか。新しい住まいの確保と、それに伴う費用を具体的に計画しましょう。
  • 資金の使い道は?: 売却で得た資金を、老後の生活費、医療・介護費用、お孫さんへの援助など、何に使うのかを明確にし、計画的に管理することが大切です。衝動的な大きな買い物や、安易な投資話には十分注意してください。

チェック③ 確定申告の準備はできていますか?

不動産を売却した年の翌年2月16日から3月15日が確定申告の期間です。 特に、3,000万円の特別控除など、節税効果の高い特例を利用するためには確定申告が必須です。

  • 必要書類の準備: 売買契約書(購入時と売却時)、仲介手数料などの領収書、登記費用関係の書類などを今のうちから整理しておきましょう。
  • 相談先の確保: ご自身での申告が不安な場合は、税務署の無料相談や税理士への依頼を検討しましょう。信頼できる不動産会社であれば、提携する税理士を紹介してくれることもあります。

まとめ

年金受給者の方の不動産売却は、年金支給額そのものに影響を与える心配はほとんどありません。しかし、①譲渡所得税、②健康保険料、③介護保険料という3つの費用負担が発生・増加する可能性があることを正しく理解しておくことが重要です。

特に、各種費用の支払いは売却の翌年になるため、売却で得た資金を計画的に管理し、納税・納付資金を確保しておくことが、後悔しないための最大のポイントです。

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